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愛縁奇縁
○選挙の時期になると、百家争鳴。さまざまな意見が交差する。
10月16日、投開票の新潟県知事選挙は、水面下で多様な動きを示していた。森民夫前長岡
市長が立候補することで、現職の泉田裕彦新潟県知事との一騎打ちが予想されていたが、泉 田氏は立候補を取りやめた。現状では森氏の単独立候補になりそうである。
○民主主義は多様な意見を多数に集約して意思統一を図る制度である。だから選挙の場に
おいて、多様な選択肢を提供、有権者の判断を待つ。そのような理念のもとに、一定の任期を 過ぎると定期的な選挙を行う。
想定外の大きな課題については、議会の解散によって改めて民意を聞くことも行う。
○新潟県政についても同様である。対立する論点は選挙を通じて民意を問う。地方政治でも
国政と変わらず、民主主義の重要な仕組みになっている。
そうした意味合いでは、現職の立候補取り止めは、誠に惜しい。私たちは直面する大きな課題
について、さまざまな角度から考える機会を失ったのかも知れない。
○新潟県が直面する大きな課題は、原子力発電所の運転再開問題であろう。現職の泉田知
事は、納得のいく対応策を求めて、ブレーキをかけ続けてきた。
対する東京電力は新潟市に新潟本部を置いて、地元対策を行ってきた。大手紙に広告を繰り
返し掲載し、県民にアプローチしてきた。大きな催事に際しては会場の掃除などにまで社員が 出向いて、地元の親密な関係作りに努めてきた。
○それに対し泉田知事の政策運営が、官民挙げての大きなうねりになっていなかったのは事
実だろう。おかげで早めの立候補声明にもかかわらず、5政党(自民、民心、公明、社民、生 活)の推薦は決まらないままであった。
過去の選挙では支援を受けてきたわけであるから、4選目の今回は大きな変化だった。加え
て船舶購入問題では四面楚歌の雰囲気であった。三セクのやったこととトカゲのしっぽ切りを するには、上品に過ぎたというべきであろうか。
○森氏は、県内各地で事務所開きを着々と進めている。こうなれば森氏優位は揺らがない。
だが、立候補者1人では県民の選択肢はない。この点で、やはり泉田氏の立候補取りやめは 惜しい。
それにしても一部の県内紙は、立候補取りやめのコメントについて、本社執行役員編集局長
の名で「正当な記事へ圧力」と批判している。そうであろうか。
政治家がメディアを批判するのは日常であろう。それを決まり文句の「圧力」でくくるのでは、す
こし大人げないのでないか。あれほど舌鋒鋭く批判していたのであるから、立候補取りやめを 「大歓迎」とでもいえば首尾一貫して、よかったのでないか。
○新潟県全体とは異なり、長岡市は3人が立候補した。三者三様の政策をじっくり聞くことがで
きる。そのうえで、選択することができるから、複数の立候補者は、歓迎すべきことである。
森市政はそのような自由な雰囲気を醸成してくれた。
(黄色い風見鶏)
(黄色い風見鶏)
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