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愛縁奇縁:既往目次
合縁奇縁:No.155:人口問題を探る(1)
さらに産業の高度化・強靭化

○天皇陛下の退位に合わせて10連休が実現しそうである。「そんなに休んで大丈夫なのか」と
の声がする一方で、「労働力不足の対策として好都合」との声もある。
あまりにも長い休暇は今まで例がないだけに、企業には心配が付きまとうのだろう。これも労
働力不足が背景にある。

○長岡市の人口は27万人である(2016年)。長岡大学の鯉江康正教授は2025年は25万人
と予想している。地域別にみると、長岡地域は19万人で、1万人を超えているのは栃尾、中之
島、越路の3地域にとどまる。他の地域はそれぞれ1万人に満たない。さらに県外へ就職する
などの社会減が追い打ちをかける。将来人口は確実に減少。労働力人口が減少し、採用難に
至る。退職者の補充も思うに任せないだろう、残った人員は労働強化に至るなど、放置できな
いことが予想される。

○少子化対応は喫緊の課題になった。どうしたら、子供の数を増やせるのか。長岡市は子育
ての駅など、ユニークな政策をすすめている。だが、子供が労働力になるには20年では足りな
い。
とりあえずは。過労死や自殺者が出るような働き方、あるいは働かせ方について、経営体制を
改めねばならない。ブラック企業として非難が集り、国の監査が入ったりするのはまずかろう。
やむを得ないでは済まされないところに、少子化問題の根深さがある。

○少子化対策に妙案がないとしても、現実の問題が追いかかてくる。むしろ次第に厳しさを増
す。
労働強化をしなくても労働力不足に対応できる効率経営が必要であるとして、新たな動きも出
てきた。宅急便業界では引き受け貨物の減少を図っている。お正月休業をしたいとのデパート
の動きも出た。多店舗展開の業種では店舗縮小が始まった。いずれも高効率を目指し労働力
不足に対応しようとしている。

○長岡では北越銀行が第四銀行と合併する。重複する店舗の整理、人員の削減などの効率
化が顕在化していくことだろう。だが「困る」との声は長岡財界からは出てこない。
太平洋戦争時、国は「一県一行」を目指して両行の合併を強要した。このとき、長岡財界は山
本五十六をも動かして猛烈な反対運動を展開。両行併存を勝ち取った。戦時の国策に例外を
得たのだから、すごいことだった。
だが今は「困る」ことはないようだ。それだけ銀行業務は高度化が進んでいるのだろう。

○労働力不足が常態化するなかでの成長には、高付加価値化が欠かせない。市外、県外、
海外など広い視野での経営展開も必要になる。
産業の高度化・強靭化は、ますます進めねばならない。
(黄色い風見鶏)



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