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○人間生活に電気をはじめとしたエネルギーは欠かせない。その多寡は国力のバロメータで
もある。だが現在の主流である石油は国内での自給はほぼゼロに近い。代替えのエネルギー 源をどこに求めるか。百年の大計を念頭に置いた対応が必要である。
稼働すれば長期にわたって電気を供給する原子力発電は魅力的であるが、そのリスクはフク
シマで既に十分に味わった。そこにジレンマがある。
米山新潟県知事は「3つの検証」(@福島原発事故の原因検証、A同事故の健康・生活への
影響検証、B柏崎刈羽原子力発電所で事故が起こった場合の避難計画の実効性検証)を指 摘。「福島事故の徹底的な検証がなされない限り、柏崎刈羽原発の再稼働の議論は始められ ない」と一貫して主張している。
○柏崎原発(東京電力柏崎刈羽原子力発電所)は世界最大の原子力発電所である。7基の
原子炉を保有し、合計出力は821万2千`h。だが現在は点検中として全基、稼働していな い。
昨年末には6、7号機の再稼働に向けた審査が原子力規制委員会で正式に合格した。これ
を受け10日、経済産業省資源エネルギー庁長官が「再稼働を進める」とする政府の考えを米 山知事に正式に伝えた。そして年内をめどに県が避難計画を策定し、2019年以降国の防災 計画に基づき防災訓練を行うと提案。米山知事も前向きに検討するとした。
国のエネルギー政策の中で、原子力発電の位置は変わりないかのようである。
○米山知事は選挙時から事故の徹底的な検証が必要であるとしていた。政府方針が再稼働
であるにしても「3つの検証」を独自に進める考えを説明し、再稼働には慎重な姿勢を強調す る。
昨年、「原発の安全管理に関する技術委員会」に加えて「検証総括委員会」を設置。下部委員
会に「健康・生活委員会」「避難委員会」を設けるとした。「避難委員会」は2014年策定の避難 計画「広域避難の行動指針」を再検証し、必要に応じて指針を改定する方針を確認している。 だがこのときは検証作業には3、4年かける見通しとしていた。
知事が主張する「3つの検証」が十分に終わっていない段階での国による再稼働方針の表明
は、原子力行政をめぐる軋轢を想起させる。国の動きは何やら先手を打っている感が強い。
○原発で発電した電力の大部分は首都圏に送られている。その一方で、万一のリスクは私た
ち周辺市町村が負担する。原発の多くが運転停止している現在でも、電力供給は間に合って いるようである。
それでも世界一が身近にある。万一への不安は大きい。
(黄色い風見鶏)
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