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県は昨年、「新潟県事業引継ぎ支援センター」(公益?にいがた産業創造機構内)を通して、中
小企業・小規模事業者を対象にした「事業承継診断」を初めて実施した(診断期間=6月から 9月、有効診断数=4111件)。これによると、過半数にあたる2103事業者が「後継者候補 がいない」と回答している。
このうち半数は、「事業承継をしたい」、「後継者がいないので(県に)相談したい」と回答。一
方、全体の24%にあたる996事業者が「廃業予定」と回答し、廃業予備軍が多いことも窺わせ た。同センターでは、診断結果のフィードバックはもちろん無料の個別相談会開催など、フォロ ーアップを行うとしている。
○消費者のし好が変化し、産業構造が変化する中、個々の企業の在り方も変わらねばならな
い。昨年のヒット商品が今年もヒットするとは限らない。
少子化は後継者難に表れてきた。長岡では昨年老舗の菓子舗が商権を譲渡して廃業した。い
ささかショックな事態だった。
若年労働者が大勢で、人手が余っている時代は後継者問題も大きくは成らなかっただろう。だ
が今はほぼ完全雇用である。厚生労働省が発表する有効求人倍率は1倍を超えている。総務 庁の完全失業率も2%台になった。
こうなれば中小企業は労働力不足に悩まされる。丁稚奉公は遠い過去のものになり、「職人
技」の伝承も今までのようにはいかない。
○東京商工リサーチ新潟支店の調査(「休廃業・解散企業」動向調査)によれば、新潟県内で
は休廃業や解散した企業が4年連続で増加。その件数は昨年1年間で780件(前年比4・1% 増)になり、倒産件数(108件)の7・2倍にも達した。これは4年連続で前年を上回り、同社が 2000年に集計を開始して以降、過去最高という。
一方、全国では2017年、2万8142件(前年比4・8%減)で3年ぶりに前年を割り込んでいる
ものの、企業倒産(8405件)の3倍以上が休廃業・解散に至っている。
○中小企業庁は昨年7月、「事業承継5ヶ年計画」を策定して地域の事業を次世代にしっかり
と引き継ぐことを目指すとしている。だが今後5年間で30万人以上の経営者が70歳になるな か、政府は名目GDPを600兆円にしたいという。そのためには、生産性の高い企業や成長産 業への雇用移動が必要であろう。
事業承継を契機に、後継者がベンチャー型事業など成長分野に積極的にチャレンジしやすい
環境の整備は喫緊の課題になっている。
○「液晶の次も液晶」と考えて工場の拡張を図った企業は苦境に陥った。販売価格10万円を
超えるスマホを売り出したが、計画通りの販売ができない。こうした事態が起きる時代である。 この変化に追い打ちをかけるように少子化が進んでいる。寿命が延びて長寿者が増加する一 方で若手の労働者が不足している。
新潟県では金属、繊維、木工などの分野で優良技術を持つ事業者が多いが、その多くが後継
者難に陥っている。
少子化は、産業構造までも変えようとしている。
(黄色い風見鶏)
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