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○アメリカのオバマ大統領は就任直後の2009年4月5日、プラハ(チェコ共和国の首都)で、
「核なき世界」の実現を訴えた。発言は世界を興奮させ、新大統領の下で核兵器廃絶への希 望をもたらし、オバマ氏はノーベル平和賞を受けた。
だが在任期間中の8年間、核廃絶へ向けた具体的な施策はほとんど実施していない。大統領
として初めて被爆地の広島を訪問(16年)、改めて「核なき世界」の実現を訴えたことが印象に 残るくらいであろうか。
○オバマ氏に変わったトランプ大統領は就任以来過激な言動が多い。自国優先の政策(アメ
リカファースト)は、国際協定からの脱退や移民の禁止など、かなり過激である。さらに北朝鮮 の核ミサイル開発に対しては、挑発的ですらある。
それに対してすり寄っているのが日本である。地政学的に至近距離にある北朝鮮の動向は、
日本の安全保障に直接響く。だからやむを得ない対応と思うのか。両国の対立が先鋭になれ ばなるほど、日本のリスクが高くなることを忘れてはならない。
○こうした中で、トランプ氏は2日、核戦略報告書「核態勢の見直し(NPR)」を発表した。米軍
が保有する核兵器を革新するとともに、「戦術核兵器」とも呼ばれる低出力の小型核兵器を新 たに開発する。そのうえで通常兵器での攻撃に対応するとしている。
これは核には核で対抗の考え方ではない。通常兵器での攻撃にも核で対抗する考えであ
る。だから世界が驚いた。地球上には約1万5000発の核爆弾が存在するという。しかもその 9割以上をアメリカとロシアが保有している。冷戦期の1980年代の6万発以上から大幅に削 減したとはいえ、現状でも「オーバー・キル」(何度も地球を破滅させることができる)の状態に あることに変わりはない。そうした中での発言だった。
○昨年7月は「核兵器禁止条約」が122ヶ国の賛成で採択された。だが肝心の核保有国が議
論に参加しない。アメリカは条約の批准を目指さない立場を表明している。
世界の核弾頭は、ロシア(7000発)、アメリカ(6800発)が断然多いのであるが、両国以外で
も、フランス(300発)、中国(270発)、イギリス(215発)、パキスタン(130〜140発)、イン ド(120〜130発)、イスラエル(80発)、北朝鮮(10〜20発)である。
唯一の被爆国である日本は、世界の核廃絶運動を牽引しても不思議ではないのだが、指導的
な役割を果たそうとはしない。日本はアメリカの「核の傘」に依存しているためであろうか。対米 追従が極まっている。
○核兵器の廃絶を願う動きに世界のリーダーが背を向けている。北朝鮮との火種もあって無
制限に緊張が高まりそうだ。日本はそれを緩和できる立場にあることを想起』すべきだろう。 (黄色い風見鶏)
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