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○失業率が低下している一方で、後継者難による廃業が増加している。
1月の完全失業率(季節調整値)は前月比0・3?低下の2・4%。これは1993年4月以来、24
年9カ月ぶりの低水準という(3月2日総務省「労働力調査」発表)。幅広い産業で労働者の囲 い込みが起きているのか。就業者数が増加しているようだ。
「人手不足で企業の求人意欲が強い」状況である。それは一方で採用難を意味する。
○完全雇用(全労働者が就労している状態)が実現に近づけば、新規の雇用は難しくなる。今
はその兆候が強い。多くの中小企業はこうなると新人の採用はできないだろう。当然後継者難 が顕在化していく。どうしても新規の人材が必要となればヘッドハンティングで他社から引き抜 くしかない。だが、それができる企業は一部の企業に限られる。「雇用情勢は着実に改善して いる」(総務省労働力人口統計室)との判断はバラ色に聞こえるが、経営者が高齢化して若手 がいなければ、いずれ廃業しかない。
雇用の約7割を担っている中小企業に後継者難が襲いかかろうとしている。
○経済産業省では、2025年には6割以上の中小企業で経営者が70歳を超えると見ている。
このうち現時点で後継者が決まっていない企業は、127万社と試算する。
さらに同省では、廃業の増加によって25年までに累計約650万人の雇用と約22兆円の国内
総生産(GDP)が失われる可能性を指摘する。
650万人の労働者が成長産業に円滑に移動できれば良いが、多分簡単にはいかないだろ
う。単純に年金生活に入るのも問題がある。後継者難の影響は大きい。
○鞄結桴、工リサーチ新潟支店によれば新潟県内企業の代表者の平均年齢は現在62・6歳
という。この高齢化の要因には、後継者不足がある。高齢になっても経営者は頑張っている。
さらに業績低迷が追い打ちをかけ、先行きの見通しが明るくないとなれば、実子も後継者にな
りたがらなくなる。事業承継が難しい現実が顕在化してきた。
○昨年の新潟県企業の休廃業・解散は780件(前年比4・1%増)。4年連続で前年を上回り、
過去最多になった。これは年間倒産件数(108件)の7・2倍である。全国は3・3倍であるか ら、本県の休廃業・解散は多さが際立っている。
少子高齢化が若手労働者の枯渇を招いてきた。深刻な「人手不足」が長期化すれば、後継者
難はさらに強まる。
企業自体のM&A等の推進、会社株式の相続などの簡易化など、すべきことが多くなってい
る。
中小企業は切ない局面にある。(黄色い風見鶏)
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