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『長岡築城物語』、『いい湯めぐり温泉紀行』、『浦上義昭対談集』、『たまこより(猫の写真集)』
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桃の節句を迎える季節となった。長岡に住むようになってから開催している長岡市立科学博物
館の牧野家のおひなさま展も今年7回目を開催中である。
お雛様を飾るときにいつも思い出すのは、小学生の頃、京都の広いお座敷で両親と共に八
段の雛段を組み立てた頃のことである。飾り付けの作業を苦に思ったことはなく、今もこの作 業が続けられるのは、70年前の経験が大きいのではないかと感じている。
京都の冬は底冷えがすると言われているとおり、東山のふもとに位置し南禅寺や禅林寺(通称
永観堂)のすぐ近くにあった我が家は市内の中心部よりも一段と冷える。京都の1月、2月は 小雪がちらつく日もある。雛人形を飾るお座敷には火鉢を一つ置いて手を温めながら、上段よ りお内裏様からお道具類まで順々に並べ飾り付けていった。両親が雛段に上っても壊れる心 配はなかったが、登るのはいつも体重の軽い私の役目であった。飾り付けが終わると両親の 知人や茶道のお稽古にいらっしゃるお姉様方など大勢の方々がお見えになった。
私の小学校の同級生たちも見に来てくれた。今も京都で開かれる小学校の同窓会で「牧野君
のとこのお雛様は立派やったねー」「今でも思い出すわー」「今はどうしてやすのー」などと大変 懐かしい京言葉で話しかけられる。当時の子供にとっては目を見張る雛飾りと過ごすのも楽し い一時だったのではないかと思う。小さなギヤマングラスで頂く甘酒や可愛らしい雛あられでも てなされたことが昔の良き思い出としてよみがえってくるのであろう。また、小学校の学芸会の 折、同級生の女子と私がお内裏様を演じたことも、お雛様にまつわる良き思い出となってい る。蛇足であるが、その女子も私も傘寿を迎えてなお元気で生活をしていることを有り難いこと だと感じている。
(旧越後長岡藩牧野家17代当主)
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