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シリーズ「組合探訪」

第3回

中越鋳物工業協同組合

その4

さらなる飛躍を遂げる

長岡は明治中期に東山一帯で石油が湧出した。石油は明治期の産業界に貢献し、長岡
に工業の基盤を形成した。さらに北越鉄道などが開通し、三国街道、信濃川水運の交通
の便とあいまって、石油産業の中心地として長岡は活況を呈した。これに伴い、石油掘
削機械の製造や修理の需要が生まれ、機械加工や鋳物業などの基盤技術が発達した。

かでも、鋳は複雑な形状を一体型で作り出すことで産業機械の主要部材を生産。当時
の石油産業を支えた。

石油が枯渇した現在でも、機械鋳物を生産する鋳造工業は、「中越鋳物」として、地域の技
術基盤を作った。労務、経営改善などを図って、地元にとどまらず関東圏をはじめ広くその名を
高め
長岡の基幹産業であり続けている。

シリーズ「組合探訪」第3回は中越鋳物工業協同組合(鉄工町2・遠藤正浩理事長)をお届
けする。


 

産業発展に貢献で「第14回 外山脩造賞」受賞

同組合は2025(令和7)年3月、「第14回 外山脩造賞」を受賞した。「長岡市の
産業発展に顕著な貢献をした」との事由だ。同賞の主催はアサヒビール叶V潟支社(新
潟市中央区)。外山脩造の業績を記念してアサヒビール鰍ナは、外山が創業した大阪麦酒
会社が同社の前身にあたることから、外山を生んだ長岡の地と長岡市民へ感謝を込め、さ
らにその技術力や産業への貢献を評価、2011年に創始した。長岡の産業発展に貢献し
た事業・製品開発・研究等を行った企業・団体・個人を表彰している。表彰は1人または
1企業・団体。正賞のほか副賞がある。

名称となった外山脩造(1842―1916年)は長岡市(栃尾地域)出身の実業家で
アサヒビールの創始者だ。明治時代に実業家として活躍した。北越戦争では長岡藩軍事総
督の河井継之助の側近として戦った。負傷した継之助に従い会津に落ちて行く途中で継之
助は戦傷が悪化し、死没した。この時、継之助は外山脩造に対して「戦争が終ったら商人
になれ」と諭したと伝わる。後、大蔵省を経て、阪神電鉄(初代社長)や大阪麦酒会社、
大阪ガスなどの創業に携わり関西財界の礎を築いている。

アサヒビール鰍ナは、外山が創業した大阪麦酒会社が同社の前身にあたることから、外
山脩造を生んだ長岡の地と長岡市民へ感謝を込めて同賞を創設し、14回目の同賞に中越
鋳物工業協同組合に授与した。

名誉ある賞の受賞は、同組合の業績を高く評価し、全組合員の誇りである。


「長岡ものづくりフェア」に参加。地域貢献も

同組合の人材つくりは同業内にとどまらない。市が毎年開催している「長岡ものづくり
フェア」には、青年部である「中越鋳物青年研究会(武怜央奈会長)」と協力して参加
。市民と密着し、少しでも鋳物に馴染んでもらおうとしている。子供や保護者に長岡の
優れた商品や技術を知ってもらうとする。

さらに同組合は地域貢献活動にも取り組んでいる。市内の小学校を訪問し、総合学習
の一環として鋳物についての体験学習を実施する。

人手不足、担い手不足はどこの業界も同じで、当組合も頭の痛い問題だ。新入社員の加
入は非常に厳しいところがある。少子化社会とネット社会の負の産物と捉えている。機
械設備も環境設備も昔と違い近代風に整えているが、普通に待っていても新しい人材を
確保することができない。

今後の取り組みについて「組合全体の問題として、本気で考えていかなければならない
。子供たちは、どんな物ができるのか、物を作ることに興味を持ってもらいたい」と遠
藤理事長は考えている。

(つづく)

 




                       
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