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知事就任で会見
第9代新潟県知事(官選も含めると通算第60代)に就任した米山隆一氏は10月25日、県庁
へ初登庁し就任記者会見を開いた。米山知事は「命と暮らしを守る県政をしてほしいというの が、県民の声で、そのシンボルが原発再稼働問題と思っています。県政の課題はさまざまあ り、その全てに対して真摯に丁寧に全力で取り組んでいきます」と、県政への意欲を示した。
任期満了に伴う県知事選には、米山知事のほかに前長岡市長の森民夫氏(67)、元団体職
員の三村誉一氏(70)、行政書士の後藤浩昌氏(55)の4人が出馬し、10月16日に投開票が行 われた。共産、自由、社民の3党の推薦を受けた米山知事と、自民、公明の両党の推薦を受 けた森氏を軸とした選挙戦となり、東京電力柏崎・刈羽原発の再稼働問題、少子化や地域活 性化の対策などが争点となった。
米山知事の県政運営では、定数53の県議会のうち3分の2を占める自民(34議席)、公明(2
議席)への対応が喫緊の課題となっている。推薦をした3党の県議会の議席は、社民党2議 席、共産党1議席の3議席にすぎない。無所属の一部と、7議席を有する民進党が米山知事 の支援に立ったことで、2桁にはなったが、安定した県政運営には自民党との関係は重要とな っている。
初登庁で職員に向けてあいさつ
自宅のある魚沼市から初登庁をした米山知事は、約500人の県庁職員や県民らからの出
迎えを受けた。この後、約250人の県庁職員に対して「これから4年間、県政に対して取り組 むためには、県庁にいる1人ひとりの力が必要になる。一丸となって不幸を減らし、幸福になる 新潟県をつくっていきたい」とあいさつした。
民間からの知事就任であり、議員や行政での経験はがないことも不安視されていることか
ら、「行政経験もなく、これだけ大人数を率いた経験もない。県政をまとめ、作り上げていくため には、皆さんの力が必要。皆さんの意見、訴えに耳を傾けて、風通しのいい県庁にしていきた い。県知事として全責任をとる覚悟であり、県と県民の現在、未来に対する責任を一丸となっ て果たしていきましょう」と呼び掛けていた。
会見で4年間の県政への意気込みを語る
また、就任記者会見では「選挙で大きな争点となった原発再稼働問題については、まずは徹
底的な検証を県技術委員会で進めていく。その検証が済むまで再稼働の議論はしない。県民 の命と暮らしが守られないのであれば、再稼働は認められないという立場は堅持していく。同 時に対話を閉ざすという考えはなく、関係各所ときちんとした協力体制を築いて、しっかりと対 処していきたい」と、原発再稼働についての立場を述べた。
原発再稼働問題以外についても「命と暮らしを守る県政の実現が、県民の大きな期待であっ
たと考えている。子育て支援や医療、介護のしっかりとした体制をつくるためには、それらを支 える産業基盤、都市基盤の整備がかかせない。暮らしやすい街、防災にきちんと対応した安 全な街をつくり、その中でさまざまな企業が発展する新潟経済としていきたい」と語った。
会見での主要な一問一答
――自分を一言で表すと
「楽天的でオープンだと自分では思っています」
――新知事独自のカラーは、どう打ち出すか
「現状に応じて、現実的なところからカラーを出していきたい。目の前の小さな問題を、きちんと
解決していくことが重要だと考えている」
――県議会の最大会派である自民党に対し、どのような姿勢で対峙するか
「よりよい県政という方向性では一致していると思っている。目指すべき方向性を提示し、それ
に対しての修正を求められれば、真摯に検討し適切と思うものに関しては反映させるという、 当然のことをきちんとやれば協力を得られると考えている」
――ブログや以前の選挙において、原子力発電は必要としていたが、現在の考えへと変わっ
た経緯は
「事故が起きた時は、私も含めて多くの人が、時間はかかるにしても最終的には収束するだろ
うと考えていたと思う。完全に元に戻ることはないにしても、燃料は回収され、ある程度の原状 回復はされるだろうと。ところが、いつまで経っても事故は収束せず、原状回復の道のりは長 いように見える。福島の人たちの気持ちもあるので、私があまり言えることではないが、原状回 復には相当の時間がかかる可能性が高いと判断せざるをえなくなっている。
現状を見て考えが変わったことを変節と言われれば、批判としてきちんと受け止める。この
1、2年で原発に対する考えは段階的に変わっていった。この現状をこのままにして、事故が 起きないことを信じるというのは不合理であり、最終的な判断が変わった」
――市町村との関係はどうしていくか
「市町村と県は、しっかりと協力していく必要がある。市町村からの要望を聞き、こちらの要望
を伝え、その中で話し合いをしていくことで、きちんとした関係がつくられていく。可能であれ ば、全ての市町村で話を聞く機会を持てればと思っている」
――日本海横断航路の船舶購入問題は、どのように対応するのか
「大きな方向性としては、いつまでも争うことではないと思っている。すでに訴訟となっているの
で、あまり言えない部分もあるが、大きな方針としては、可能な限り県民の負担を減らしつつ、 円満に、原因を解明し、再発防止策をつくり解決したい」
――人口減少対策はどうするのか
「全てをやるしかないと考えている。人口減少の大きな理由は社会的流失である。これを止め
るためには子育てをしやすく、暮らしやすく、雇用があるという状況にしないといけない。子育て や教育支援、医療体制の整備、産業振興と全てをやらないといけない。後は出生率の向上が 必要で、これは若年層の収入の多くない人たちへの支援が必要になる。若年層が家庭を持ち やすく、子供をつくりやすい環境にしていくのが重要」
――選挙戦で掲げた政策は、箇条書きの部分が多いが、肉付けや方向性はどうしていくのか
「関係部局と話し合いをして、具体的なプランをつくり、実行できる形にしていきたい。スケジュ
ールや発表の形については、把握していない部分もあるので、相談をして決めていきたい。新 たなプランを実行していく中で、泉田前知事のプランの引き継ぐところは、きちんと継承してい きたい」
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