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悠久録(過去の悠久録はこちら)
2014年6月7日分
高円宮(たかまどのみや)家は皇室に繋がる由緒ある家系である。その第2子典子さま(25)が
婚約された。相手は千家(せんげ)家の長男国麿(くにまろ)氏(40)。千家家は代々出雲大社 の宮司(国造)をつとめてきた。日本の歴史に稀有な古い家系が、1000年を超える星霜の末 に結びつく▼出雲大社には国譲りの故事がある。神代の時代に日本を統治したのは出雲族だ ったらしい。スサノオやオオクニヌシは出雲系であった。これに対し新たに力を得てきたヤマト 族が統治権を譲るように迫ったという。もし「国を譲るならば、立派な御殿を造営し、末永く祀 る」というものであった▼あまりにも古いことで推測の部分が多いのであるが、哲学者の梅原 猛さん(85・文化勲章受章)は「アマテラスを開祖とするヤマト王朝以前に、スサノオを開祖とす る出雲王朝が数百年にわたり日本を支配していた」という(『葬られた王朝』新潮社)。そうなれ ば千家家は皇室よりもさらに古い家系との推測も成り立つ▼出雲族は出雲地域を除くすべて を譲ったが同地域の支配は続けたとの説もある。今となれば定かではないが、代償に建立し てもらったとされる出雲大社は当時の日本で最大規模の壮大な建造物であって、後年「雲太・ 和二・京三」と言われた。雲太は出雲大社、和二は東大寺大仏殿(奈良市)、京三は平安京大 極殿(京都市)を指す▼千家家も直系男子の相続が今に繋がる。「男統八十余代」という。婚 約の朗報は日本の古い家柄を結びつけ、古代のロマンを蘇らせた。(とけいそう)
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