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悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.778:ウナギの効用
 
2014年6月17日掲載分


▼毎日が暑い。その一方で豪雨が起きる。異常気象が重なる。暑い日にはウナギで精を付け
るのが良いという「ウナギを食べれば元気が出る」と、江戸時代に平賀源内(1728年〜178
0)がウナギ屋に提案した。なんでも、ウナギ屋の店主が売り上げ増進策を源内に相談したか
らという▼源内は「本日土用丑の日」という広告(キャッチコピー)を勧める。このアイディアは的
中。ウナギはうなぎ上りに売れ、うな重は人気のメニューになって江戸っ子をうならせたのであ
る。それから200年余り経つ。今では日本人のスタミナ源として定着した。夏の「土用丑の日」
(今年は7月29日)には毎年最大の売り上げになるという▼だが今年ははやばやと水を差すよ
うなニュースが伝わった。国際自然保護連合(IUCN・本部=スイス)が「レッドリスト・絶滅危惧
種1B類」に指定した。最悪から4段階目のレベルで「近い将来、野生での絶滅の危険性が高
い」状態という。環境省の指定は昨年だったから事態は悪化している▼ウナギの稚魚(シラス
ウナギ)の日本国内での漁獲量は、ピーク時には200トンを超えていた。しかし2013年には
5・2トンにまで激減。そのうえウナギの生態もよく分からない。産卵はマリアナ海溝で、稚魚が
日本や台湾沖へやってくる。これを捕獲して養殖したのがわが国で流通するウナギである▼だ
が世界の7割を日本が消費している。このまま絶滅させては、日本の食文化を失うだけではな
く。食資源を食べちらかしたとの汚名を負いかねない。(とけいそう

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