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悠久録(過去の悠久録はこちら)
(8月5日分)
6月26日の弊紙1面のトップには、市内の老舗企業某社(酒造業)の事業停止が大きく載っ
た。文政10(1827)年創業の某社は、140年を超える歴史を持つ。相応のストックを積み重 ねて来たはずであるが、幕切れは張り紙1枚のあっけなさであった▼老舗企業は手厚い取引 先に恵まれており、定番商品はブランド化して地域社会に定着しているはずである。根強いフ アンもいたであろう。だが時代は変化し、人も変わる。考え方も嗜好も変わる。ライバルも出て くる。競争に耐えられなくなれば、過去の栄光は力にならない▼バブル経済崩壊後の不況はあ まりにも長く続いた。山一證券は平成9年、北海道拓殖銀行は平成10年、それぞれ破たんし た。県内でも新潟中央銀行が平成11年、新潟鉄工所が平成13年に、長い歴史に終止符を打 った。いずれも記憶に鮮明である▼日本産業の華、製造業も同じであった。三洋電機はVHS を生み出し、世界標準にまでなった名門企業である。小千谷市に大工場を建て地元経済に貢 献していたのであるが、震災の後遺症に長く苦しんだ。電池部門、とりわけ車載電池では世界 をリードしていた。それでも時代の変化は容赦ない▼経営不振からパナソニック(旧松下電器) の傘下で電池部門以外を放出。三洋電機は消滅した。同社の創業者は松下幸之助の義弟 で、共に創業の辛酸をなめている。因縁浅からぬ両社であるが、パナソニックは良いとこ取り をして10万人の巨大企業を見捨てた▼夏休みに入っているが企業間競争は止まらない。(とけ いそう)
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