長岡新聞:トップ
社主のプロフイール 
購読の申込みメールでOK。 1か月1851円です。
新刊案内『長岡築城物語』、『いい湯めぐり温泉紀行』:詳しくはこちら
川柳、俳句、短歌に投稿しませんか:詳しくはこちら

悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.971:14歳のプロ棋士

夏の夕暮れ時、将棋盤を囲んでの対局は、庶民の楽しみであった。ご隠居どうし、うちわ片手
に王将を追いかける。脇で観ている子供らもいつの間にか覚えてしまう。爺さんと孫坊主の対
極に、笑顔が満ちていた▼だが、夏の風情も少しずつ変わり、縁側での将棋対局も少なくなっ
たようである。それでも習慣は綿々と続いている。将棋にハマってしまう少年は少なくない▼藤
井聡さん(愛知県瀬戸市)もその一人である。プロの道を夢見るまでハマってしまう。まだ中学
2年生。14歳2ヶ月の少年であるが、ついにプロ棋士になった。史上最年少である▼日本将棋
連盟では、プロ棋士養成講座として「奨励会」を組織。6級から3段に分けて修練させている。3
段位にのぼると次が4段である。年2回のリーグ戦で上位2位以内に入れば4段になる。4段
位からプロ棋士である。だが同会には年齢制限があって、満26歳までに4段になれなければ
退会になる▼どんなに将棋好きであっても、26歳までに結果を出さなければプロの道は閉じて
しまう。若いときに、壁を乗り越えることが出来なければ、プロの世界での大成は難しいのだろ
う。厳しい世界である▼藤井さんは5歳のころ祖母から将棋セットをもらう。奨励会に入会した
ときは6歳のときという。現役最年長の加藤一二三九段がプロになった(4段認可)のは、14歳
7ヶ月のときだった。その記録を62年ぶりに塗り替えた。早い時期の修練が夢を掴んだ▼まだ
中学生である。その棋力はこれからますます花開くに違いない。(とけいそう)


フリーのライターを募集しています(0258−32−1933:星野へ) 
購読の申込みも同番号へ
トップへ
戻る