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No.979:金木犀の香り

(10月4日分)
通勤の道すがらに、良い香りがただよっていた。金木犀(キンモクセイ)である。花は小さい
が、びっしりとたくさん咲く。雪国での育成は厄介であろうに、いずれのお宅もきれいに育てて
いる▼その仲間に銀木犀(ギンモクセイ)がある。白い花が同じように咲く。いずれも常緑樹で
いつも葉が青々と茂っている。公害にも強く丈夫である。庭木には好まれるのだろう。だが銀
木犀は長岡ではあまり見かけない▼この時季は香りが楽しみである。暗い道でも芳香に心が
和らぐ。花期の終わりには花弁が落ち、地面を覆う。その上を歩くのは随分贅沢である。人様
の丹精をながめながら通勤できるのも、長岡の楽しみであろうか▼秋の魅力が満開になろうと
している。過日は秋風に誘われるように、雪国植物園(宮本町)へ行ってきた。日本の自然を
取り戻そうと、日本の昔からの植生で里山を整備した公園である。園長の大原久治さんを中心
に有志が力を合わせている。受付が「今は彼岸花(ヒガンバナ)が満開」と教えてくれた▼彼岸
花は曼珠沙華(マンジュシャゲ)とも言う。梵語で赤い花を指す。山肌の緩やかな斜面を覆う群
生は赤い絨毯のようで遠目にも赤く際立つ。毎年増えるから来年はもっと見事になるだろう。
周りには秋の七草とされる萩(ハギ)、桔梗(キキョウ)、女郎花(オミナエシ)、藤袴(フジバカ
マ)などが生育。園内は野趣に満ちて秋があふれていた▼ただ金木犀は中国からの渡来種。
園内には無いようである。「金木犀こぼれたまりて雨止みぬ」(久保より江)。(とけいそう)
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