長岡新聞:トップ
社主のプロフイール 
購読の申込みメールでOK。 1か月1851円です。
新刊案内『長岡築城物語』、『いい湯めぐり温泉紀行』:詳しくはこちら
川柳、俳句、短歌に投稿しませんか:詳しくはこちら

悠久録(過去の悠久録はこちら)
No.982:大隅博士のノーベル賞(医学・生理学賞)

(10月13日分)

東京工業大学(東工大)の大隅良典(おおすみよしのり)博士がノーベル賞(医学・生理学賞)を
受賞した。地道な研究が実った。受賞の根拠は、「オートファジーの仕組みの解明」に寄与した
ことという▼この研究は、不要になったたんぱく質などを細胞自身がリサイクルする仕組みを
解明することである。生命を維持する重要な働きを指す。細胞が新しいたんぱく質を作り、しか
も細胞内をきれいに保つ役割も果たす。だからきっと、神経疾患の解明にも役立つのでない
か、とされている▼だが研究の詳細を聞いても、凡人にはなかなか理解できない。この研究が
人類のどのような場面に役立つのか。ついつい考え込んでしまう。現状では、研究成果の応用
分野についても、分からないことが多いようだ。だが30年もの間、分子レベルでこれを研究した
という大隅博士は、「基礎研究が重要である。学問の発展には欠かせない」と力説する▼応用
ジャンルが明確でないと予算まで削られる、との嘆きも聞く。数学の天才と言われたエド・ソー
プ博士は、自分の統計的分析がカジノで通用するかチャレンジした。そして大勝ちしたという。
まだ28歳でマサチューセッツ工科大学教授のときである。エドはその後起業し、相場の世界に
入った▼スタンフォード大学教授のマイロン・ショールズ博士は、金融取引の基本「ブラック・シ
ョールズ方程式」を確立。ノーベル経済学賞を得た。彼もまた相場の世界に入る。こうした動き
もあるが、大隅博士の笑顔からは研究一筋の清々しさが見える。(とけいそう)


ライターを募集しています(0258−32−1933:希望者は星野へ) 
購読の申込みも同番号へ
トップへ
戻る