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(2020.4.16)
8月2、3両日の長岡まつり大花火大会を中止すると10日、磯田達伸市長がアオーレ長岡で
記者会見を開き発表した。磯田市長は「新型コロナウイルス感染症の拡大が、8月までに終息 するとの見解を出すのは困難。長岡花火の中止を決定した」と、苦渋の表情で述べた。
新型コロナウイルス感染症の拡大が続き、7日には国の緊急事態宣言が出た。さまざまなイ
ベントやスポーツ大会が中止、無観客で開催などの事態となっている。その中で、8月1〜3日 の長岡まつり開催の可否が注目されていた。
県内で最大規模のイベントの大花火大会は、2日間で国内外から100万人を超える来客が
ある。多くの市民、花火ファンが楽しみとしている。だが今回は、中止の決断がなされた。
空襲の慰霊・復興の思いを込めた長岡まつり
長岡まつりは、1945年8月1日の長岡空襲の犠牲者を慰霊しようと、空襲から1年後に開
かれた「長岡復興祭」を前身としている。47年に花火の打ち上げが始まり、51年に長岡まつり の名称となって、現在まで続いている。
花火大会は、1879(明治12)年9月14、15日、千手町八幡神社の祭りでの打ち上げを直接
の起源としている。戦前から2尺玉を打ち上げるなどして全国的に知られていたが、1938年 に日中戦争の影響で中断した。47年の復活後は、尺玉を中心とした豪快な構成で日本三大花 火大会と称されるまでになった。
戦後に復活してから、中止となるのは今回が初めて。雨天順延や、新潟県中越地震の影響
で2005年の開催が危ぶまれたことはある。05年は復興を掲げ、震災復興祈願花火「フェニッ クス」を打ち上げるなどしてさらに成長した花火大会になった。
感染拡大を避けるため中止を決断
今回の新型コロナウイルス感染症の状況で、花火大会を主催する長岡花火財団は3月31
日、評議員、理事の会議、8日に理事会を開き意見を集めた。スポンサーも含め関係者の大 半は「中止は仕方ない」との意見だった。「条件が整えば開催したい」や「慰霊の花火だけは打 ち上げたい」などの意見も出た。
最終的に、財団は理事長の高見真二副市長に開催の可否を一任。高見理事長は、磯田市
長と協議し市長の判断に従うとした。磯田市長は、感染拡大のリスクをなくすことはできず、 「慰霊・復興・平和」を掲げる長岡まつりが「感染の元になることは許されない。安全が担保さ れない限り花火大会はできない」と、中止を決断した。
1年がかりで準備を進める大規模イベントで、花火師や会場設営だけでなく、飲食、ホテル、
交通、警備と数多くの関係者がいる。このため、「なるべく早い決断」として、市民向けの先行 チケット販売前の発表となった。経済損失などは、これから算定する。
1日の平和祭などは開催予定
中止となるのは花火大会で、1日の平和祭や2、3両日の昼行事などは開催する予定。磯田
市長は「長岡まつり大花火大会は中止だが、長岡まつりは行う」とした。ただ、内容について は、これから1カ月ほどかけて主催者と検討していく。
1日夜の空襲が始まった時刻に、慰霊の花火「白菊」3発も打ち上げる。予定されている、さ
まざまな慰霊行事も開催する。さらにコロナウイルス感染症の早期終息を願った花火を打ち上 げたいとする。
高見理事長は「花火大会を楽しみにしていた人たちに対し、心苦しい決断となった。来夏、終
息した状態でフェニックスを始め例年以上の花火を見てもらえるようにしたい」と話した。
磯田市長は「長岡まつりの慰霊、復興、平和の思いは未来永劫に不変。今年も、その思い
は形としてつないでいく。規模は縮小となっても、思いを途切れさせることなく来年につなげてい く」と語った。
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