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２０１２．４．１０
第三者調査委員会が報告書を公表（その２）
新潟県立精神医療センター（長岡市寿、院長・和知学、旧名称は悠久荘）で、男性（30代）の入
院患者が原因不明の骨折をしていることが判明。事態は院内暴力をうかがわせた。
院患者が原因不明の骨折をしていることが判明。事態は院内暴力をうかがわせた。
新潟県病院局は平成23年12月18日、第三者による調査委員会（委員長・比護隆證弁護士）を
立ち上げた。
立ち上げた。
同調査委員会は、病院危機管理専門家（慈恵大学渉外室顧問）、精神科医療の専門医（群馬
県立精神医療センター院長）、精神科看護専門家（神奈川県立福祉保健大学教授）、患者人
権の代表者（新潟県精神障害者家族会連合会理事）が参加、事態解明に努めてきた。
県立精神医療センター院長）、精神科看護専門家（神奈川県立福祉保健大学教授）、患者人
権の代表者（新潟県精神障害者家族会連合会理事）が参加、事態解明に努めてきた。
このほどその調査結果がまとまった。
事態解明への調査手法
同委員会は、当該患者、医師を含む全職員、他の入院患者やその家族などに対し、以下の通
り広範な聞き取り調査を行っている。
り広範な聞き取り調査を行っている。
①当該患者の他病院での診察。
②当該患者との面談調査。
③全職員に対する文書による調査。
④当該患者が入院していた病棟に勤務する医師、看護師全員と文書調査の回答から選定し
た職員合計52名へのヒアリング調査。
た職員合計52名へのヒアリング調査。
⑤文書調査の内容をもとに職員35名を選定７人ずつ５グループに分けて改革の在り方につい
てなどを、グループインタビュー。
てなどを、グループインタビュー。
⑥入院患者の家族への文書調査と回答者のなかから４名にヒアリング調査。
⑦受け答えが可能な入院患者２名にヒアリング調査。
を行っている。
専門家が個別面接などを実行
トイレで殴られた
委員の１人である精神科医療の専門医が当該患者と面談したところ、主張すべきことははっき
りと言うことができ、当該患者の話は一定の信ぴょう性があると判断している。
りと言うことができ、当該患者の話は一定の信ぴょう性があると判断している。
さらに、他病院での診断を受けさせた。診断の結果は、「肋骨９本の骨折」「多発肋骨骨折、多
発腰椎横突起骨折、左臀部から大腿外側の筋肉内血腫、軽微な肝機能障害、貧血」となって
いる。骨折にはすでに治癒している部分もあるとしている。
発腰椎横突起骨折、左臀部から大腿外側の筋肉内血腫、軽微な肝機能障害、貧血」となって
いる。骨折にはすでに治癒している部分もあるとしている。
さらに当該患者は、「腹部の傷は７月19日に病室のカギを開けてもらった（隔離解除）のち、看
護師３名（内１名は他病棟勤務）にやられた」「昨日も殴られたり投げられたりした」といってい
るとする。
護師３名（内１名は他病棟勤務）にやられた」「昨日も殴られたり投げられたりした」といってい
るとする。
また当該患者は看護師の名前を具体的にあげている。同委員会による当該患者家族への文
書調査では、「自分に暴力をふるったのは６名の看護師で、そのうちの１名からはトイレで蹴ら
れた」という。
書調査では、「自分に暴力をふるったのは６名の看護師で、そのうちの１名からはトイレで蹴ら
れた」という。
望まれる組織的な改善
調査報告者は、同病院での事故の多さを指摘する。昨年５月19日患者がベッド下で死亡して
いた。７月16日には骨折した患者がベッド下に転がっていた。９月15日には寝たままで頭から
血を流していた。10月26日には下あご骨折の患者が出た。本年２月９日には無断で病院を抜
け出した患者が交通事故を起こした。重大な事故が相次いで生じるのは、組織風土に何らか
の課題を持っているためでないかと推察することもできる。たとえば２名の看護師が「（当該患
者を）こらしめれ」「任せてください」との会話を聞いたとの証言があったと記録する。調査委員
会の報告書は、そのような点を明確に指摘する。
いた。７月16日には骨折した患者がベッド下に転がっていた。９月15日には寝たままで頭から
血を流していた。10月26日には下あご骨折の患者が出た。本年２月９日には無断で病院を抜
け出した患者が交通事故を起こした。重大な事故が相次いで生じるのは、組織風土に何らか
の課題を持っているためでないかと推察することもできる。たとえば２名の看護師が「（当該患
者を）こらしめれ」「任せてください」との会話を聞いたとの証言があったと記録する。調査委員
会の報告書は、そのような点を明確に指摘する。
さらに調査中の本年２月に１人の看護師が自殺した。同看護師による調査委員会委員長あて
の手紙には、それらをうかがわせる記述もある（調査報告書13頁）。
の手紙には、それらをうかがわせる記述もある（調査報告書13頁）。
組織が弱体化するとき、いろいろな病巣が生じる。それを避け、健全な組織にしていくために
は、組織のトップの力量が常に問われるのである。
は、組織のトップの力量が常に問われるのである。
直接手を下したのはだれか
新潟県立精神医療センターが健全な治療を行うようであって欲しいとの声は強い。
同医療センターは、「患者さんの尊厳に敬意を払い、プライバシーの保護に最大限の配慮をし
ます」としている。「プライバシーの保護」が「放置」にならないよう、真相を追求し、今後の入院
患者の安全のために適切な措置が必要になっている。
ます」としている。「プライバシーの保護」が「放置」にならないよう、真相を追求し、今後の入院
患者の安全のために適切な措置が必要になっている。
同調査委員会は、調査報告書の最期に「本件のような事案が２度と起きないようにするととも
に、組織風土が改善され『県民から信頼される県立病院』となることを切に期待する」としてい
る。
に、組織風土が改善され『県民から信頼される県立病院』となることを切に期待する」としてい
る。
それは調査委員会のみではなく、新潟県民の願いであり、長岡市民が均しく期待するところで
ある。
ある。
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③第三者委員会設置：県医療センター：２０１１．１２．２７掲載
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