長岡新聞・悠久録No.1171:「出羽・上山藩の米百俵」

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長岡新聞・悠久録:日本大震災から8年目
3月14日

東日本大震災から8年目の11日、テレビ各局が被災地の現況を報道していた▼停電で暗闇
が街を支配していた。その一方でコンビナート火災の赤い炎と濃灰色の煙が立ち込めていた
街があった。未曾有の地震と津波から逃げた人たちは、家族や友人、親戚の安否や被害状
況がわからないまま、不安な夜を迎えていた▼そのなかで星空に気付いた被災者の思いに心
揺さぶられた。暗闇で状況確認もままならないなか、大勢の命を飲み込んだ海を見たくない
と、空に目を向けたとき、満天の星が無数に輝いていた。「すごかった」「あんな星空は見たこ
とがない」との驚きの感動である。あの日の夜空は星がすごかったのだ▼だが、「きれいと思っ
てはいけない」と言う声も多数あった。そのことに胸が痛んだ。東日本大震災の発生は金曜日
午後2時46分。津波到達から引くまでの無残さに声を飲んだ被災者は多い。未曾有の災害に
直面して「星空がきれい」と素直に感じることは、申し訳ないことでないのか。命を奪われた人
たちのことを考えていないことにならないのか。罪悪感を強く感じてしまったと言うのである▼15
年前の中越地震の夜も星空が広がっていたと、川口地域の被災者が話していた。地震の発生
は土曜日午後5時56分。すでに太陽が沈み夕食の匂いも漂っていた。そのなかでの悲劇であ
る。だが満天の星ぼしを見て「なんか安心した」のも確かである▼平成時代は自然災害が多か
った。原発事故も含めて、その一つひとつを風化させないことが、残った者の務めだろう。(と
けいそう)

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