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悠久録(過去の悠久録はこちら)
サンマが旬である。今が一番うまい。「目黒のさんま祭り」はこの時期、開催になる。今年は不
漁のため初めて冷凍物を使った(9月8日)。それでも炭火で焼かれ煙が立ちこめる中、約70 00匹に多くの人が夢中になったとか▼海洋国家日本では昔から魚を食してきた。江戸の目黒 でサンマを食べたお殿様は味が忘れられない。ようやく食する機会があったが不味い。目黒の サンマとは大違いだ。そこで「サンマは目黒に限る」と素直にサンマを愛でる。漢字では秋刀魚 と書く▼魚偏の文字は多く、鯣 鯨 鯢 鯤 鯔 鯱 鯖 鯵 鯛 鯲 鯰 鯡など。だがカタカナで表記さ れるようになり、今となれば難しくてとても読めない。それでも秋刀魚だけは分かりやすい。身 近な魚のためだろう▼同祭りにも影響を及ぼした不漁の要因は、中国や台湾の漁船が大量に 捕獲するためと聞く。北太平洋から徐々に南下するサンマ群を、日本近海に近づかない内に 獲ってしまう。北の海で「先取り」されては不漁になるのは当然だ。庶民の味も国際紛争の埒 外ではなさそうである▼小説家で詩人の佐藤春夫は「あはれ秋風よ情(こころ)あらば伝えて よ」と詠った。「男ありて 今日の夕餉にひとりさんまを食ひて 思いにふける」(『秋刀魚の歌』) は日本人の感性に響いたのだろう。今も人口に膾炙する。だが、この歌の背景には谷崎純一 郎との確執があったと伝わる。庶民の味であるだけに、サンマは人情を映し、その内情を俗ぽ く示している▼それにしても、あの煙は何とかならないものか。(とけいそう)
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