消防団分団長を免職（50代男性）：2022.7.14

購読募集（月極めは販売店から毎朝お届けします）、購読料はこちらから

申込みは（０２５８－３２－１９３３）または　（naganews@crest.ocn.ne.jp）　。

　長岡市消防本部は４日、分団員に支給する年報酬や出動報酬など約７９０万円を「好きな歌
手のコンサート代に使用した」と説明している。私的流用であり消防本部では消防団分団長の
50代男性を同日付で免職処分にしたと発表した。分団名や男性の氏名は非公表。

消防団を指導する市消防本部（高橋篤消防長）が５日、記者会見を開き陳謝するとともに、分
団長が１人で会計を担当していたことや、会計監査や収支報告が行われていなかったことなど
を明らかにした。

分団長の50代男性は２０１１年４月、分団長に就任し今年５月までの11年間にわたって分団長
の立場にあった。この11年間にわたって約７９０万円を私的流用したもの。

男性は金の使い道について「好きな歌手のコンサート代に使用した」と説明しているという。男
性は全額返済の意思を示しているが、市消防本部は、返済状況を確認するとともに刑事告発
等を検討している。

　市消防本部によると、消防団員の報酬はこれまで分団長の口座に一括で振り込まれていた
が、団員待遇の改善を図るため、今年４月から各団員の個人口座に振り込まれることになっ
た。

これに伴い、副分団長が団員の年報酬（１人３万６５００円）の清算を求めたところ、「口座に残
高がなく支払うことができない」などと返答した。このため、６月15日に分団で集まり、分団長に
詳細な理由などを確認したところ、私的流用が発覚した。これにより免職。

同分団では、分団長が１人で会計を担当し、会計監査や団員に対する収支報告を行わない状
況が常態化していたという。

　市は緊急の消防団方面隊長会議を開き、再発防止の徹底を図るとともに、会計監査や収支
報告の厳格化などの方針を決定する。また、各分団の金銭管理の状況についても調査、確認
を行うとしている。

　長岡市の消防体制は地域住民によって組織される15の方面隊で編成され、その下に76の分
団がある。

団員の総数は、３３８４人（２０２２年４月１日現在）。団員は、特別職の地方公務員という位置
づけで市長が管理し、消防団長から任命される。また、団員には年報酬として１人３万６５００
円が支給されることとなっている。

同消防団の鈴木守消防団長は、「市民の安全・安心を守る消防団員としてあるまじき行為であ
る。市民の皆様の信頼を大きく損ねたことについて心からお詫び申し上げます」と陳謝。「今後
二度とこのようなことがないよう、法令順守、金銭の管理を徹底し、再発防止に努めてまいりま
す」とコメントしている。

　高坂篤消防長は５日の会見で「消防団に対する市民の信頼を大きく損ねたことをお詫び申し
あげます」と謝罪した上で、「長年、分団長１人で会計をしたり、収支報告を行っていなかったり
した。基礎的なことを徹底していく」と話した。

詳しくは星野まで。（０２５８－３２－１９３３）　（naganews@crest.ocn.ne.jp）