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『ウクライナ』

国際刑事裁判所(ICC)がロシアのプーチン大統領に逮捕状を発行した。ウクライナの子ども
たちを「保護」の名目で連れ去るとする大統領令に署名、実行したことが理由である。これまで
に70万人以上を拉致したと伝わる。ロシアで教育して10年後はどうなっているのだろうか。ICC
はロシアへの同化を狙った「国家ぐるみの拉致」、人的資源の略奪であると断じた▼岸田首相
はウクライナを訪問。「国際秩序を揺るがす暴挙」と述べた。ウクライナの空はロシアの制空権
にあり、飛行機は使えない。まずインドを訪問し、ポーランド経由の陸路と、隠密行動だった。
ゼレンスキー大統領との会談も詳細は伏せられている。だが、「法の支配に基づく国際秩序を
堅持」のため支援を進める意向のようだ▼ロシアの秩序無視の背景には、米国の弱腰があ
る。キューバ危機の時、あれほど断固たる姿勢を取った国であるが、ウクライナは遠くなった
のだろうか。米国の最近の動きは、腰が引けているとの見方が出てきた。いつまでも今の体制
で良いのかと、漠然とした不安が広がり、国防力強化の声に繋がっているようだ▼首相は今
回の訪問を踏まえ、G7広島サミット(5月)の準備を進めるという。このことが契機に解決の道
筋がつけばよいのだが。桜の季節になり陽気さが満ちているのに、世界は混迷を深めてい
る。(とけいそう)



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『大江健三郎』2023.3.18
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