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愛縁奇縁
○泉田裕彦新潟県知事の任期満了に伴う選挙は10月16日、投開票が行われ、米山隆一氏
(49)の当選が確定した。米山氏は共産、自由、社民の推薦を受け、52万8455票を獲得。自 民、公明推薦の森民夫氏(前長岡市長)ら無所属の新人3人を破って初当選し、新潟県の新し いリーダーになった。
対する森氏は46万5044票を獲得したものの、米山氏に6万票あまりおよばなかった。
○現新潟県知事の泉田氏は県知事局秘書課を通じてコメントを発表。「当選された米山隆一
様に心からお祝いを申し上げます。未来への責任をしっかり果たし、新潟を繁栄させるようが んばってください」とエールを送った。
自民党は選挙結果について「誠に残念だ。県民の審判を厳粛に受け止める」としている。だ
が、先の参議院選挙でも野党連合に自民党は敗れている。野党統一戦線に連敗した状況は 原発再開への思惑はもちろん、国政への影響も無視できない。野党が一致協力すれば自民 に対抗できるとの成功体験は、今後の政治を動かすだろう。
それはとりもなおさず、圧倒的とされる与党の一強体制にくさびを打つ。
○選挙前哨戦では、森氏が優位との予想があった。これに対し、森裕子参議院議員が強力に
米山氏にアプローチ。立候補にこぎつけたという。
選挙戦は原発の再稼働をめぐる考えが争点になった。米山氏は泉田知事の方針を継承する
としていたが、選挙戦の途中からは「命と暮らしを守れない現状で、再稼働を認めることはでき ない」と明言。原発に不安を感じている多くの県民から共感を得た。共産、自由、社民の連携 も見事だった。
あいまいな態度だった民進党も、自主投票から蓮舫代表が新潟入りするなど、米山候補支援
に回った。
一方の森陣営は原発再開に執念を燃やす自民党本部のテコ入れもあって、総力を挙げた選
挙戦を展開。各種団体が支持を表明し、連合新潟まで森支持に回った。
○激戦であったが、新潟市内では全選挙区で米山氏がリード。そのほか、三条、新発田、小
千谷、加茂、十日町、見附、燕、五泉、上越、阿賀野、魚沼、南魚沼、弥彦、田上、湯沢の市 町村で勝った。
一方森氏は、地元の長岡市、原発所在の柏崎市・刈羽村で勝利。さらに村上、糸魚川、妙高、
佐渡、胎内、聖篭、阿賀、出雲崎、津南、粟島浦の市町村でリードした。地域社会活性化へ向 けた行政支援への期待が大きいことを示唆。県民の多様性を窺わせる結果になった。
原発の是非はすべてに優先する重要課題ではあるが、日常の県政には多様な見解があるこ
とを忘れてはならない。
○米山氏は「命と暮らしを守り、子ども達の未来に責任を果たしたい」とし、原発については
「再稼働は認められないと国にいう」と明言する。東大医学部卒の医師で弁護士である。まだ 40代と若い。医療では決しておごることなく、患者の訴えを聞くという。
そのスタンスは、県政でも必要になる。あらゆる事案で関係者との調整が欠かせない。県議会
との対話はとりわけ重要になる。
これからは米山氏の力量が問われる。新潟県の発展を期待するのは、すべての県民共通の
願いだろう。率直な意見交換を行うことで、より合理的な結論を導いてほしい。
(黄色い風見鶏)
(黄色い風見鶏)
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